タイトルはポピュラスとなっていますが、前二作とはほとんど別のゲームです。そのためシリーズのファンからは厳しい評価を受けましたが、カジュアルなRTSと考えれば決して悪くないゲームだと思います。ガチのRTSゲーマーには温すぎる内容ですが、適度に馬鹿なAIとシンプルなシステムで、RTSが苦手な人にもお勧めです。
日本語版は入手困難になっているようですが、GOG.comで英語ダウンロード版を入手可能です。文字もセリフも殆ど無いので、英語が苦手でも関係ないです。
操作もいたって単純で、ほとんどマウス操作だけでプレイ可能。キーボードはアルファベットのgと矢印キーだけ覚えておけばOK。
ポピュラスといえばゴッドゲーム。前作・前々作ではプレイヤーは神を演じたわけですが、このザ・ビギニングでは、プレイヤーはシャーマン(巫女)を演じます。全部で25あるステージの24番目迄をクリアすると、シャーマンは神となり、最終ステージ"The Beginning"がアンロックされます。シャーマンが神様をはじめるまでを描いているので、「ザ・ビギニング」というわけです。
システム的にはDirect 3Dを採用し、シリーズ初の3D表現が用いられています。宇宙に浮かぶ太陽系の画面からゲームの舞台となる惑星へと視点が移動し、宇宙から地表へと下降すると、今度は地表のポイントとなる遺跡などのある場所へとシームレスに視点が移動していく演出(フライバイ・モード)は、当時としては画期的だったと記憶しています。
役回りが神様からシャーマンへと変わっても、ポピュラスはポピュラス。やることは変わりません。異民族を皆殺し。民族浄化とかジェノサイドとか。考えようによってはGrand Theft Autoなんかよりもずっと危ないゲームです。
シャーマンとそのフォロワーを操作するわけですが、フォロワーはAIで勝手に動くので、あまり細かい指示を出す必要はありません。
例えば建物を建てたい時、普通のRTSだと建物を建てる前に資源を採掘して、採掘した資源を目的地まで運んで...と、建物を建てるまでが一苦労ですが、このゲームでは建てたい建物を選んで地面の適当なところをクリックすると、あとはフォロワーが集まってきて自分で資源(木)を見つけて自動的に建物を建ててくれるので、プレイヤーは楽チンです。まわりに木が見つからないと、辺りを見回して途方に暮れてしまいますが、そんな時だけ途方に暮れているフォロワーをクリックして選択し、木のありかをクリックして教えてやればOKです。
戦闘もAIが敵を見つけると勝手にはじめてくれますが、こちらは逆に困ることが多いと思います。明らかに勝ち目のない大軍相手に特攻して、あれよあれよという間に全滅寸前になったり、敵のシャーマンの呪文攻撃に驚いて四散したあげく各個撃破されたり、敵の伝道師に転向させられたり。
戦闘はシャーマンの呪文攻撃を中心とし、フォロワーはシャーマンのガードに専念させるのが有効ではないかと。フォロワーを選択してキーボードのgを押すと、フォロワーがシャーマンを取り囲んでガードします。
敵部族は全部で3部族登場します。後半のステージではプレイヤーの部族と4つ巴の戦いが展開されます。
- Dakini (ダキニ)
- Matak (マタク)
- Chumara (チャマラ)
- Brave (勇士)
- 勇士というか、普通の人間。小屋(Hat)を建てると湧いてきます。建物を建てられるのは勇士だけなので、魔法攻撃などで建物と中の勇士を一網打尽にされると、「勇士がいないから建物を建てられない」「建物がないから勇士が増えない」つまり詰んでしまいます。トレーニングで戦士や伝道師、炎の戦士、スパイになることができます。
- Warrior (戦士)
- 戦闘力・防御力が高く接近戦を得意とするが、敵の伝道師に出会うと敵の部族に転向させられることがあるので、単独で戦闘させるのは敵に増援をくれてやるようなもの。また炎の戦士の集団には近づく間も無く吹き飛ばされるなど、意外に使えない。
- Fire Warrior (炎の戦士)
- 火の弾を放つ戦士。攻撃範囲が広く、特に高台や気球に配置すると効果的。接近戦は得意ではないが、密集させると敵が近づく間も無く吹き飛ばすことができる。攻撃にも防御にも重宝します。
- Preacher (伝道師)
- 敵の部族を自分の部族に転向させられるので、うまく活用すると効果は絶大。ただし敵の伝道師は転向させられません。また味方が敵に転向するのを防ぐこともできます。
- Spy (スパイ)
- 敵の部族に成りすまして敵の建物に接近し、放火することができます。スパイっていうよりテロリスト?一度に成りすますことができるのは一つの部族だけなので、ある敵の部族に成りすました状態で別の敵部族に出くわすと、当然その敵部族から攻撃されます。
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